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Chaine des aravis |
3月も半ばに入り、雪もほとんど降らなくなり、良い天気になると暖かいなと感じるような時期になってきました。 今日は天気がとても良いのでピクニック気分でスキー場ではない山に行ってみました。 場所はラ・クルーザ(アヌシーからクルマで40分)の奥、アラヴィス山脈というところです。 アラヴィス山脈は標高2500・600mの山々が鋸の歯のように連なっている横に長い山脈です。 ラ・クルーザの町とスキー場はこのアラヴィス山脈の端に位置しています。 今回はラ・クルーザのスキー場より2つほど奥の谷を1人で登ります、天候が安定しているためそれほど重装備をする必要はないのですが、雪崩の心配は怠ってはいけません。 今回、というか普段、私はどんな道具を持って山を登り、そして滑り降りるか簡単にご紹介します。
まず、リフトがないのでスノーボードをバックパックにくくりつけ、ラケットを履きひたすら登ります。 もうすでに春の軟らかい雪となっていたのでラケットが適度に埋まり足場を的確に捉えていきます。 時々小休憩をはさみながらひたすら登っていると、上から1人のスノーボーダーが滑り降りてきました。 私の目の前で止まり、とりあえず挨拶と握手。 地元のおじさんで、スキー場の方からリフトとハイクアップで登り、1つ谷を越えてここまで来たとのこと。 とにもかくにもお互い雪崩には注意しなきゃね、と言葉を交わす。 別れ際、一応何かあった時のため君の名前を聞いておこう、とフランス人にとっては難しい日本語の名前をひとつ覚えて、彼は再び滑り降りていった。 とってもいい人だ。 気持ちの良い青空の下、私以外誰もいない春の山を登ること2時間半、区切りの良いとこまでたどり着きました。 手元の高度計が2100mを示しています。 休憩をはさみ、スノーボードに履き変えて、いざ下山。 軟らかい春の雪、一つ一つのターンに「シアワセ」を感じながら滑り降りるが、2時間半の登りに対して下りは約5分、あっという間に麓に到着です。 少し歩き、クルマを停めてあった場所に着くと、1人の老人が話し掛けてきました。 「オマエを登っている時から眺めさせてもらった」(うそ!?)「1人で登って危なくないのか?」(おっしゃるとおりです…)「アーバ(フランスでの発信機の代名詞)はあるのか?、おお、ちゃんと持っていたか!」といった具合です。 今日は、私は彼に見守られて山での時間を過ごしていたようです。 最後に「オマエの写真撮ったから、あげようか?」と彼、「ぜひ!」と私はお願いしました。 |
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いい天気でしょ ちなみに右の山の頂上で 約2500m |
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わかりづらいですが 岩の層の間から 水が湧き出ています 手付かずの自然ですね |
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麓の雪のあるところまで 今から滑り降ります |
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さて、この谷とラ・クルーザのスキー場の間には“歩くスキー場”なんてのもあります。 フランスでは日本と違って普通のゲレンデスキーだけでなく“歩くスキー”もメジャーなスポーツです。 もっと言うと山岳スキーも(ラケットを使った)雪山歩きもメジャーで、スポーツショップに行くとそれぞれのコーナーが充実した品揃えで設けられています。 スポーツショップでおじーちゃんが孫と一緒に“歩くスキー”を買いに来て、おじーちゃんが満足そうな顔をしている、なんてほのぼのした光景もよく見かけます。 日本ではあまり見かけませんが、結構いい歳をされた方たちが、スキーやラケットを使って手軽に楽しめる雪山歩きはもとより、ゲレンデスキー(スノーボード)も山岳スキーもそれぞれのペースで楽しんでおられるのを目にすることが出来ます。 スキー場の閉鎖が相次いでいる昨今の日本と違って、こちらではスキーをはじめとする「スポーツ」の文化が根付いていますね。 で、この“歩くスキー場”ですが(ゲレンデ)スキー場のおまけというわけではなく、受付もしっかりある有料施設です。 そのかわり“歩く”スキー学校、スノーマシン完備の整備の行き届いたコース(レンタルに関しては個人のショップがまかなう)、そしてそれに見合ったたくさんの利用者で、春間近の青空の下、老若男女問わず、とても賑っていました。 日本のおじさん、おばさんももっとスポーツを楽しみましょう! 青空の下、とても気持ちがいいですよ。 |
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“歩くスキー”の スタート地点 目の前の小屋は “歩くスキー”教室 |
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それぞれのペースで 楽しんでいます |
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